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自民弱腰 漂う悲観論 与党追及不発、存在感示せず(産経新聞)

 自民党は16日に閉会した通常国会で、民主党の一方的な国会運営に振り回され、最後まで与党を追いつめるほどの存在感を発揮できなかった。野党の「最大の武器」である内閣不信任決議案も最終日になってようやく提出するありさま。菅内閣の発足により、各種世論調査での民主党との支持率の差は開いており、参院選を目前にして党内には悲観論も出ている。このまま参院選に臨めば、自民党は厳しい評価を受けかねない。(今堀守通)

 ◆政権倒した?

 「国会対策が万全というのはなかなか望めない。鳩山由紀夫政権を追いつめたので、それなりに役割は果たしたのではないか」

 自民党の谷垣禎一総裁は16日午後、党本部で記者団に対し、「鳩山政権を倒したこと」が自民党としての最大の見せ場だったと強調してみせた。

 しかし菅政権への交代は、民主党内の事情による「コップの中の嵐」(中曽根康弘元首相)にすぎない。自民党は社民党の政権離脱に際し、鳩山内閣不信任決議案や鳩山首相問責決議案の提出を検討したが、退陣のタイミングを「1日半くらい」(谷垣氏)読み誤り、両決議案は提出しないままとなった。

 ◆足元ぐらぐら

 自民党執行部は、鳩山政権下で参院選に突入すれば、鳩山氏と小沢一郎前幹事長の「政治とカネ」の問題に対する国民の不満を追い風に党勢を回復できると期待していたようだ。菅政権の誕生で、「他人任せ」は通用しなくなった。

 2月の衆院予算委員会で鳩山氏を「平成の脱税王」と攻撃した与謝野馨元財務相は「戦う野党」の姿勢がないと執行部刷新を要求した。しかし、谷垣氏は予算委での欠席戦術に失敗しながらも交代を拒否。その結果、4月には与謝野氏を含む離党者が相次いだ。

 ◆「しっかりせよ」

 その後も「党の国対はしっかりしてほしい。情報が不足しているのではないか」(伊吹文明元幹事長)と不満や注文は絶えなかったが、事態打開を図ることはできなかった。

 結局、小沢氏の国会招致も実現できず、菅直人首相を予算委員会で追及することもできずに国会は閉会した。

 今後は討論番組や共同記者会見などが対決の場になるが、ここでも、民主党執行部が自民党よりも若いというイメージ上の問題などから、「あと1カ月のうちに自民党が反転攻勢を仕掛けるのはなかなか難しい」(山本一太参院議員)との見方が早くも出ている。

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8日に組閣 蓮舫氏入閣へ 仙谷官房長官、野田財務相 (産経新聞)

 鳩山由紀夫首相の退陣を受けて、民主党は4日、両院議員総会で、菅直人副総理・財務相(63)を新代表に選出、菅氏はこの後の衆参両院本会議で、第94代、61人目の首相に指名された。菅氏は党役員・閣僚人事に着手、官房長官に仙谷由人国家戦略担当相、財務相に野田佳彦財務副大臣を内定した。幹事長は枝野幸男行政刷新担当相の起用を検討しているが、党内に異論があり調整している。

 赤松広隆農水相は4日、口蹄(こうてい)疫の拡大を防げなかったことを理由に菅氏に辞意を伝えた。後任に筒井信隆衆院農水委員長が挙がっている。国民新党代表の亀井静香郵政改革・金融相は留任が決まった。

 このほか事業仕分けで注目された蓮舫参院議員の入閣が固まり、消費者・少子化担当相で調整。菅氏側近の荒井聡首相補佐官の入閣も浮上、国家戦略担当相に充てる案が出ている。

 輿石東(こしいし・あずま)参院議員会長ら参院執行部の顔ぶれは変わらない。

 菅氏は4日午後、国会内で自民党の谷垣禎一(さだかず)総裁と会い、組閣が8日になることを伝えた。天皇陛下による首相任命式も同日となり、それまでは、4日に総辞職した鳩山内閣が職務を執行する。

 菅氏は同日夕の党本部での代表就任会見で「これから本格的な改革の段階に入る」と、政権運営への意気込みを示した。人事については「全くの白紙だ。頭を冷やして整理し、多少の時間を得て新しい体制づくりに入りたい」と述べ、週末に構想を練る考えを示した。「報復(人事)は考えていない」とも述べたが、小沢一郎幹事長を主要ポストに起用しない方針だ。

 菅氏は、鳩山政権が廃止した「党政策調査会」の復活を表明して小沢氏の路線を否定。会見で「政調会長が内閣の役職を兼ねることを検討してもいい」と述べた。官房長官となる仙谷氏や国家戦略担当相との兼務が念頭にあるとみられる。

 代表選は、菅氏と樽床(たるとこ)伸二衆院環境委員長の一騎打ちとなった。小沢グループ以外の各グループは菅氏を支援。前原誠司国交相、岡田克也外相らは小沢氏の影響力排除を支持の条件にした。小沢グループは自主投票。樽床氏へは小沢氏に近い中堅若手の一部が支援した。代表選の得票は菅氏291票、樽床氏129票だった。

 首相指名に先立ち菅氏は亀井氏と会談、民主、国民新両党の連立継続で合意。菅氏は会見で、社民党との関係改善に努める考えを示した。

 ■官房長官 仙谷由人氏

 小沢一郎幹事長と距離を置き、「政治とカネ」問題では批判的な発言を続けた。親分肌であり、「反小沢」とされる前原誠司国交相や枝野幸男行政刷新担当相らとに慕われる。

 弁護士出身で労組関連の裁判を通して政治に目覚めた。平成2年、旧衆院徳島全県区から社会党公認で初当選。8年に鳩山由紀夫首相らと旧民主党を結成した。党政調会長などを歴任。

 鳩山内閣では行政刷新担当相や国家戦略担当相を務め、「事業仕分け」第1弾をリードした。14年には胃がんを克服。衆院当選6回。64歳。

 ■財務相 野田佳彦氏

 前原誠司国交相らとともに「民主党七奉行」の一人で、党内では小沢一郎幹事長と一線を画す有力メンバー。平成14年の党代表選では、若手のリーダー格として、鳩山由紀夫首相や菅直人新首相らと争ったが、敗北した。

 20年の党代表選では、小沢氏の3選を阻止するために出馬を模索。しかし、グループ内がまとまらず断念した。鳩山内閣では閣僚の有力候補と目されたが、財務副大臣となった。

 5年、衆院旧千葉1区で日本新党から初当選。12年に民主党から出馬し、党国対委員長などを歴任。衆院当選5回。53歳。

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